保育士の仕事&キャリア
2025.01.14 更新
2024年度の新しい配置基準で保育士の仕事はどう変わる?基準変更の3つのメリット
2024年4月から保育士配置基準が変更になりました。保育士一人が受け持つ子どもの人数を定めた保育士配置基準は、1948年に国が定めて以来実に76年も据え置かれていました。
2024年度から適用される新しい保育士配置基準では、3歳児は「保育士ひとりにつき15人」、4・5歳児は「保育士ひとりにつき25人」へと変更になりました。(0歳児 保育士ひとりにつき3人、1・2歳児 保育士ひとりにつき6人は据え置き)
2024年4月から変更となった保育士の配置基準により、保育士の仕事環境や役割にどのような変化が生じるのかを解説します。
新しい配置基準となった理由
以前より、保育士の配置基準に無理があるという訴えは多くの保育現場よりあがっていました。多くの保育園は国からの補助金制度を活用して運営していますが、現状の補助金では実際の保育に必要な人員を確保することは難しいとされてきました。
実際問題、保育士ひとりが5歳児30人の保育を安全に行うのは非現実的であるとし、独自に保育士を配置基準以上の人数で雇っているケースも珍しくありませんでした。
保育士を配置基準以上に雇わないと、保育園は法令違反となり営業ができなくなります。配置基準の人数増加は保育現場での人手を増やし、国の補助金なども新しい配置基準を前提に支払われることになるということです。
具体的な変化とメリット
新しい配置基準が導入されることで、保育士の仕事にどのような具体的な変化があるのでしょうか?以下に、主な変化とそのメリットを紹介します。
1. 子ども一人ひとりに対するケアの充実
配置数の増加により、保育士一人が担当する子どもの数が減少します。これにより、子ども一人ひとりに対してより丁寧なケアが可能となります。個別の発達支援や特別なニーズを持つ子どもへの対応がしやすくなるでしょう。
2. 保育士の負担軽減
0歳児の場合、おむつから着替え、食事といった身の回りのすべての世話を保育士が行う必要があり、そのため保育士一人が担当できる人数が3人までと制限されています。
子どもが成長すればある程度は身の回りのことが自分でできるようになるため、保育士一人あたりの担当人数が増えるように設計されてますが、実際に4・5歳児のケアを一人で30人担当するのは大きな負担になっていました。
新基準により、こうした保育士一人ひとりの負担が減り、働きやすさと保育の質の向上を見込めます。
3. 子どもたちの安全がより確保される
配置基準は、保育中の子どもたちの安全を守るためにも拡充が期待されます。自分の意志で活発に動くようになる3~5歳時の保育において、思わぬ事故を防ぐ見守りにどれだけのマンパワーをさけるかはとても重要です。
配置基準の改善によって保育士が増え、トラブルや事故の防止、早期の対応が可能になります。
保育現場の環境改善の今後の変化に期待
新しい配置基準が導入され、保育士の業務負担軽減、個々の園児に対する保育の充実、安全確保にむけた変化の第一歩が始まりました。
2023年4月、「こどもまんなか社会」の実現を目的としてこども家庭庁が発足しています。今後も保護者が安心して子どもを保育園にあずけられるよう、保育現場の環境改善施策が拡充していくものとみられます。
-
人材定着・成長で未来を創る!HOPPAの経営計画
-
保育園児の知的好奇心を刺激するHOPPAのオリジナル能力開発lesson