保育士の仕事&キャリア
2024.07.23 更新
保育士等キャリアアップ研修って何?スキルと賃金アップにつなげよう!前編
「保育士等キャリアアップ研修」は、保育士の専門性を向上させ、リーダー的役割を担う職員を育成するために設けられました。保育士として働いている方々にはぜひ知っておいていただきたい制度です。そこで、研修の概要や具体的な内容について前後編でご紹介します。
保育士等キャリアアップ研修の目的とは?
「保育士等のキャリアアップ研修」は、保育士の専門性を高め昇進や処遇改善を進めるため、平成29年に厚生労働省によって新設された制度です。
保育の現場で、新人から中堅の保育士に学びのチャンスを提供し専門性の向上やリーダー的な役割を担えるようにすることが目的のひとつ。保育士の育成に関する研修に、一定の水準を担保するためガイドラインが策定されました。受講は処遇改善手当の支給要件ともなっていて、都道府県や都道府県知事の指定した研修期間で実施されています。
新設された3つの役職
これまで保育の職場では役職が少なく、保育士のキャリアップや賃金アップの機会が限られていました。そこで副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダーといった新たな役職が設けられました。これにより、一般の保育士から主任保育士になるまでの間に段階的な役職ができ、キャリアパスがより明確になりました。
各役職になると処遇改善手当の申請対象となりますが、その条件のひとつが「保育士等キャリアアップ研修」の受講です。各役職で修了が必要な研修や、経験年数をみてみましょう。
<副主任保育士>
・経験年数は概ね7年以上
・「保育士等のキャリアアップ研修」で3つの専門研修とマネジメント研修を修了
・保育園より副主任保育士の役職
<専門リーダー>
・経験年数は概ね7年以上
・「保育士等のキャリアアップ研修」で4つ以上の専門研修を修了
・保育園より専門リーダーの役職が発令
※副主任保育士・専門リーダーでは新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、処遇改善等加算Ⅱにおけるキャリアアップ研修の修了数は、令和5年度から毎年1分野ずつ追加し、令和8年度に完全実施(4分野)の予定。令和6年度の必要修了数は2分野です。
<職務分野別リーダー>
・経験年数が概ね3年以上
・「保育士等のキャリアアップ研修」でマネジメントおよび保育実践研修を除く6つの専門研修のいずれかを修了
・保育園より職務分野別リーダーの役職が発令
研修を修了し、役職につくと賃金アップの対象者に
「保育士等のキャリアアップ研修」の修了した人が勤務する保育施設で、副主任保育士や専門リーダーとして任命された場合、月額約4万円、職務分野別リーダーとして任命された場合は月額約5千円の処遇改善加算が適用されます。
注意したいのは、処遇改善加算は自治体から保育園に補助金として支給され、配分にもルールがあるため、保育士等のキャリアアップ研修を修了したすべての人が必ず上記のような賃金アップが実現するわけではないことです。保育園の規模によっても状況が異なるため、詳しく知りたい人は勤務している園に確認してみましょう。
後編では「保育士等のキャリアアップ研修」の具体的な内容と受講方法などについてご紹介します。
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保育士等キャリアアップ研修って何?スキルと賃金アップにつなげよう!後編