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保育園のヒヤリハット事例シリーズー①送迎バス編

#保育士#保育園#幼稚園
保育園のヒヤリハット事例シリーズー①送迎バス編

「ヒヤリハット」という言葉をご存知でしょうか?ヒヤリ・ハットとは、文字通り“ヒヤリ”としたり、“ハッ”としたりするような経験で、実際には重大な災害や事故には至らなかったものの、危険な状態だった事例をいいます。

こども家庭庁の「教育・保育施設等におけるヒヤリ・ハット事例集」をはじめ、都道府県などの自治体でもヒヤリハット事例の収集・共有が進んでいます。

今回から始まる「ヒヤリハット事例シリーズ」ではシチュエーション別に実際に報告された保育園のヒヤリハット事例を紹介していきます。ぜひ事故の予防や対策に役立ててください。

今回は「送迎バス」にまつわるヒヤリハットを紹介していきます。

ケース①降ろし忘れ

報告された事例で多かったのは、送迎バスから降車後、点呼のタイミングで園児の人数が足りないことがわかり、バスの車内に取り残されている子どもがいたことがわかったというものです。

バスの昇降時の人数確認を怠ったことが原因の問題であり、確認手順を徹底することが有効な対策となります。

遠足の帰りで眠ってしまった子が多く、起こす対応に追われ人数を誤認してしまったケースもありました。夏場のバスに子どもが残されると、熱中症で命の危険にさらされます。人数確認は乗る時も降りる時も徹底しましょう。

ケース②送り届けのミス

普段送迎バスを利用する園児を、諸事情により担任が車で自宅まで送り届けようとした際に発生したアクシデントです。担任が園児の自宅の場所が分からず迷ってしまい、保護者と近所のコンビニで落ち合い子どもを引き渡すことになりました。

このケースでは、担任が園児の自宅まで家庭訪問を行ったことがあり、自宅が分かるから大丈夫と送迎を請け負ったことで起きたトラブルです。経験だけで過信して送迎を任せることなく、実際に地理について確認を行う、地理に詳しい人間が送迎を行うようにしましょう。

ケース③送り間違い、乗せ忘れ

次はバスの乗車を確認するチェック表の記入ミスで園児を乗せ忘れてしまうケースや、バスを利用する予定のない園児を誤って送迎してしまうケースについて紹介します。

チェック表のケースでは朝の体温チェックの際に発熱の項目に×(発熱なしの意)をつけたつもりが、バスの乗車チェックの項目に×(乗車なしの意)を付けてしまい、園児をバスに乗せ忘れるトラブルが発生してしました。

このようなケースでは、発熱の項目には×、バスの乗車チェックの欄には射線で消し込みをするなど記号を分けることで対応ミスを防ぐことができます。また、記入者の名前欄を設けておくことで、記入者の欄が空欄だった場合は記入ミスを疑うようにするなどといった対策も有効です。

次は普段はバスを利用する園児が、保護者から「今日は迎えに行くのでバスは不要です」と連絡を受けたのに対し、伝達ミスで普段と同じようにバスで送迎を行ってしまうケースです。

こちらの事例は複数報告されており、保護者からの連絡は大半電話であることから、連絡を受けた保育者とバス担当との間で連絡を徹底することが大切です。

伝達ミスをなくすために、バス表への追記や共有用のホワイトボードに記入をするなどして、随時チェックを怠らないようにしましょう。

まとめ

送迎バスにまつわるヒヤリハット事例3選、いかがでしたか?送迎バスの乗り降りといった毎日ある業務は、「いつも通り」と油断が発生しがちです。「大丈夫なはず」というバイアスによって事故を招かないよう職員間の連絡共有や行動マニュアルを徹底しましょう。

今回から始まった「ヒヤリハット事例シリーズ」。次回は園外保育で報告されたヒヤリハット事例たちを紹介します。