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保育士の仕事&キャリア

2024.10.15 更新

保育園のヒヤリハット事例シリーズー②園外保育編

こども家庭庁の「教育・保育施設等におけるヒヤリ・ハット事例集」からシチュエーション別に実際に報告された保育園のヒヤリハット事例を紹介していく「ヒヤリハット事例シリーズ」。前回は送迎バスにまつわるトラブル事例を紹介してきました。

今回とりあげるくヒヤリハット事例のシチュエーションは「園外保育」です。保育園内と異なり、保育者目が届かないリスクがある園外保育ではどのような点に注意するべきなのでしょう。事例を参考に再確認してみてください。

ケース①置き去り・見失い・行方不明

園外保育でのヒヤリハットで最も多かったトラブルの一つが「置き去り」でした。

<置き去り・見失いの具体的な事例>

・シャボン玉遊びの際に園児がシャボン玉を追いかけて集団から離れていき見失ってしまった。
・バギーに園児を乗せて帰園する際、園児が公園に残っていることを第三者から指摘された

置き去り対策として重要になるのは、保育者間で声をかけ合い人数を確認することです。そのうえで、互いに役割や立ち位置を分けて連携をとる必用があります。予防策として、移動時に必ず人数確認を行う習慣を徹底することが大切になります。

ケース②列からの離脱

次に紹介するのは園児が保育園に戻る途上で列から離脱してしまい、そのままはぐれてしまうというケースです。

<列からの離脱の具体的な事例>

・手をつないでいた保育者が、ベビーカーに乗るのを嫌がり立ってしまう他児の様子を見て、ベビーカーのベルトを締め直すために手を離してしまった隙に公園の外へ出ていきはぐれてしまった。
・ほどけた園児の靴紐を保育者が結び直している間に、他の園児が列からはぐれて歩いていってしまった。

これらのケースは保育者が園児の世話や園児に関わるトラブルに集中したことにより、他の園児への注意がおろそかになったため生じてしまったヒヤリハットです。

対策としては、園児の世話などに集中する必要がある場合は他の職員に声をかけて見守ってもらうこと。もしどうしても人手が足りない場合でも、自身のエプロンやお散歩ロープを握ってもらい、その場にとどまってもらうように園児に促すことが挙げられます。

ケース③飛び出し

最後に紹介するのは、ヒヤリハットの中でも園児の命に直接かかわるような重大インシデントである「飛び出し」の事例についてです。

<飛び出しの具体的な事例>

・降園後、保育者と保護者が会話に夢中になってしまい、目を離した隙に子ども達が車の前でしゃがみ込んで遊び始めた。退勤職員がエンジンをかけ、発進しようとした直前にいきなり車の前に子どもが立ち上がった。
・降園時、突然子どもが保護者を振り切って走り出し、お迎えに来ている他の保護者の車の前に飛び出してしまった(エンジンが切ってあったため大事には至らなかった)

リスクが高くなるのは、業務終了の境目である降園のタイミングです。保護者と保育者のコミュニケーションは大切ですが、引き渡し時のおしゃべりが常態化して気が緩むと大きな事故に繋がる可能性があります。

対策としては、保護者へと引き渡す際にも園児から目を離さないようにする必用があります。特に保護者のいる方へと向かって駆け出し、横断歩道や道路の左右を見ず飛び出してしまうケースもあるため、園児が道路の付近を歩く時は強く注意を払うようにしましょう。

まとめ

保育園外でおこるヒヤリハット事例3選、いかがでしたか?園外保育では園内保育に比べて見守る範囲も大きく広がり、保育者側の目や人手が限られるなか全てを把握するのが難しくなります。

だからこそ、園児の活動範囲を適切に制限したり、死角の有無などを保育職員間で共有・連携して見守りにあたることが大切だといえます。

「ヒヤリハット事例シリーズ」次回は園内(室外)で報告されたヒヤリハット事例を紹介します。

  • 保育園のヒヤリハット事例シリーズー①送迎バス編

  • 保育園のヒヤリハット事例シリーズー③園内(室外)編